引越し準備に時間が取れない方や、急に退去が決まってしまった方にとって、アパート退去時の対応は大変です。しかし、最低限やるべきことを押さえておけば、スムーズに引越しを進めることが可能です。このコラムでは、引越し前にどうしても済ませておきたい「最低限の作業」と、引越し後に余裕ができた際に対応できる「後回しにできる作業」に分けて紹介しています。特に、短期間で退去する場合に焦らず行うためのポイントを中心に解説し、最小限のストレスで引越しを完了させるための実践的なアドバイスをまとめています。
引越しまでにこの6つだけやっておけば後は楽です
①退去通知の届けは、お忘れなく
解約通知は、賃貸契約書に明記しておりますが、多くの場合、一か月前に管理会社や大家さんに通知することになっています。契約書を確認しましょう。店舗や事務所などの場合は、数か月前に行うと記載がありますので、注意してください。なるべく書面で通知が安心です。家賃は、月の途中でも日割り計算していただけます。また、解約日を一旦決めてしまうと、その日を過ぎて明け渡しができないと違約金が生じることもあります。それは、リフォームの予定が組まれ借り手が決まっていたりするケースもあるからです。
これだけは押さえておこう
①退去日・解約日は、月末でなくても月の途中でも良い。「契約で〇日前に」となっているのを確認して、家賃は日割りに戻りますから。
②電話で通知したら、電話で受けた担当者の名前、電話した日にちは必ず控えておきましょう。
③間違いなく解約通知を受けてくれたか心配なら電話で確認するようにしましょう。通知先の不動産会社が変更になっていることもあるので注意してください。
②公共料金の停止手続きは、ネットやお電話でできます
退去には、「公共料金の清算は、済ませましたか」と管理会社から確認されます。清算が済んでいないと、次の方が入居し使用する時に支障が生じるためです。退去日が決まったら早めに手続きをとりましょう。電気・ガス・電話・水道・NHKなどは、ネットで手軽にできます。
これだけは押さえておこう
①ネットのプロバイダー解約やモデムの返却手続きを早めに行いましょう。プロバイダーによっては解約や返送に時間がかかることがあり、直前に手続きすると遅延や追加料金が発生する可能性があります。忙しい引越し前に余裕を持って対応することで、スムーズな引越し準備が進められます。
②引越しに際してのNHKの契約変更は、場合によっては手こずることもありますが、基本的には移転手続きを行えばスムーズに対応できます。特に引越し先でもNHKを視聴する場合は、転居先の住所を連絡するだけで契約が移行されます。ただし、解約や契約内容の変更を希望する場合は、別途手続きが必要ですので、事前に確認しておくと安心です。
③持ち込んだ物、必ず撤去しましょう
引越し時には、自分が持ち込んだ物を必ず全て撤去することが求められます。アパートの退去時に残した物は、不動産管理会社や次の入居者に迷惑をかけるだけでなく、追加の清掃費用や処分費用を請求される可能性もあります。家具や家電、カーテンなどの大きな物から、棚の中に残った小さな物まで、忘れずに確認してすべて持ち出しましょう。特に、エアコンや照明など自分で取り付けた設備も、基本的には撤去が必要です。退去前に不用品を整理して、必要に応じてリサイクルや専門業者を利用するのも良い方法です。こうすることで、トラブルを避け、スムーズな退去手続きが進められます。
これだけは押さえておこう
管理会社や不動産会社との退去立ち会いが行われることがあります。立ち会い時には、まず①部屋に撤去漏れがないかを確認。特に、収納スペースやベランダなど見落としがちな場所に注意が必要です。次に、②部屋に備え付けられている備品が全て揃っているか確認。鍵やリモコンなど、小さなものも忘れずにチェックしましょう。そして、③原状回復において賃借人の責任で修理が必要な箇所がないか、が行われますので準備してください。
④退去のお掃除は、ほぼほぼで大丈夫です
賃貸人が退去すると大家さんの方お掃除を行います。専門のクリーニング業者さんにお掃除して次の入居者を募集します。官舎や社宅などの特別なケースを除き皆さんが思っているほど部屋の掃除は、問題になりませんので、恥ずかしくないような仕上げで大丈夫です。
これだけは押さえておこう
①賃貸物件の退去時の清掃は、本来大家さんの負担ですが、慣例や契約によって賃借人が負担するケースが多く見られます。そのため、退去前に契約書をしっかり確認し、清掃に関する負担が記載されているかどうかを確認しましょう。契約で清掃が義務付けられていない場合、自分で掃除をすることが無駄になる可能性があるため、注意が必要です。不要な手間を省くためにも、契約内容に従い適切な対応を取ることが大切です。
②ほぼほぼのお掃除とは、埃をとり除いた掃き掃除程度を指しています。
⑤レンタル品の解約も早めにしましょう
退去準備の中で見落としがちな項目の一つが、レンタル品の解約です。介護ベッドや介護用品、モデム、家電などをレンタルしている場合、早めの解約手続きを進めることが重要です。特に退去日が迫っていると、解約手続きが間に合わないケースが非常に多く見られます。自分自身で対応する場合は、レンタル品を利用していたことを記憶しているため問題ないことが多いですが、親族が代わりに退去手続きを行う際には、こうしたレンタル品の存在をうっかり忘れてしまうことがあります。そうなると、無駄な費用が発生したり、レンタル会社とのやり取りが退去後に持ち越されてしまう可能性があります。スムーズな退去を行うためにも、早めにレンタル品のリストを確認し、解約手続きを進めることをお勧めします。
これだけは押さえておこう
ジェイコムのモデムのレンタル品の解約は、モデムの取り外しは、専門工具が必要で、ジェイコムの方が取り外しに来ることになっています。すぐに来ていただけませんので、計画を立てて、早めに予約しましょう。
⑥郵便局への転居届を忘れないように
市役所で住所変更の手続きを行っても、郵便局の届け出を行わないと、旧住所へ送られた郵便は、届きません。郵便物の転送を希望する場合は、最寄りの郵便局で、転居届の手続きが必要です、転居届という書類に転居先を書いてホストに投函すると郵便物は、新居に転送できます。ネットでも手続きは可能です。転送期間は、1年間で、更新したいときは、再度届ければ、OKです。
これだけは押さえておこう
郵便局の転送サービスを利用しても、他の宅配便には適用されません。ただし、各宅配業者に転居届を出すことも可能です。さらに、宅配物には通常、電話番号が記載されているため、配送業者が転居先を確認し、荷物が本人に届くことが多いので安心です。
そのほか、住所の変更に伴い手続きは、沢山ありますが、新居に移転してからも手続きができますので、お時間の無い人は、最低限ここまで行っておけば、大丈夫です。
参考:引越し手続きの主な一覧リスト
引越しに伴う手続きは多岐にわたり、事前に整理しておくとスムーズに進められます。以下は主な手続き項目です。
- 住所変更の届出:役所での住民票の移動、郵便局での転送手続きが基本です。郵便物は1年間転送されますが、期間内に各関係先へ住所変更を届けましょう。
- 電気・ガス・水道の手続き:使用中のライフラインを停止し、新居での開始手続きも行います。特にガスは立ち会いが必要な場合があるので、日程調整に注意が必要です。
- インターネット・電話の契約変更:プロバイダや電話会社に連絡し、住所変更とサービス継続、または新規契約を行います。移転工事が必要な場合は、早めに日程を確認しましょう。
- 金融機関の住所変更:銀行やクレジットカードの住所変更は、書面やオンラインで手続きが可能です。忘れがちなので、早めに対応しましょう。
- 保険関係の手続き:生命保険や自動車保険、火災保険の住所変更も必要です。特に自動車保険は、住所変更により保険料が変わることがあります。
- 転校手続き:お子さんがいる場合は、学校や保育園への転校手続きが必要です。新しい住居のエリアに応じて、入学先の確認を早めに行いましょう。
- 運転免許証やマイナンバーの変更:運転免許証は住所変更を警察署や免許センターで行います。マイナンバーカードも役所で手続きが必要です。
- 車の住所変更:車検証や車庫証明の住所変更手続きも忘れずに。これは管轄の陸運局で行います。
- レンタル品の解約:介護用品や家電など、レンタルしているものがあれば、早めに解約手続きを行います。返却が遅れると費用が発生する場合があるので注意が必要です。
退去トラブルが起きないよう慎重に
賃貸住宅を退去する際には、退去時のトラブルが発生することがあります。特に、大家とテナントとの間で解釈の違いが生じることが多く、請求を受けたことがある方もいるでしょう。そこで、賃貸退去トラブルの解決方法について解説します。
まずは、退去時においてトラブルが発生しないようにするために、退去する前に大家と面談し、退去時の注意点を確認しておくことが重要です。具体的には、清掃や修繕、鍵の返却などが含まれます。また、退去前には必ず退去立会いを行い、立会いの際には、室内の状態や不備点などを確認し、大家と合意ができるようにすることが大切です。
しかし、トラブルが起こってしまった場合には、まずは大家との話し合いを試みることが望ましいです。話し合いの際には、退去立会い時の状態や、契約書の内容などを確認し、どちらが正しいのかを明確にすることが大切です。もし、話し合いが難しい場合には、弁護士や司法書士などの専門家に相談することも考えられます。
もし、大家から請求を受けた場合には、まずは請求書の内容を確認しましょう。請求書には、何を請求されたのか、その請求が適切かどうか、必要な支払い期日などが記載されています。もし、不明な点がある場合には、大家に問い合わせることが大切です。
また、請求が適切である場合には、迅速かつ適切に対応することが重要です。支払いが遅れた場合には、遅延損害金が発生することもありますので、必ず期日までに支払いを行いましょう。
以上のように、賃貸退去トラブルの解決方法としては、トラブルが起こる前にしっかりとした準備をしておくこと、話し合いを行い、解決すること、必要に応じて専門家に相談するとよいでしょう。
納得がいかない時の頼れる相談先
退去トラブルは、賃貸物件を退去する際に生じる問題のことです。例えば、敷金や礼金の返還額が不当に引かれたり、退去時の修繕費用が不当に請求されたりすることがあります。
もし、退去トラブルで納得がいかない場合は、消費生活センターに相談することができます。消費生活センターは、消費者トラブルの解決や相談に応じる公的機関です。
相談する際は、賃貸物件の契約書や領収書、写真などの証拠を揃えておくことが大切です。また、問題を起こした賃貸会社や大家さんとのやり取りの記録も必要です。
消費生活センターでは、専門のスタッフが相談者の話を聞き、解決策を提案してくれます。場合によっては、調停や仲裁などの手続きを行ってもらうこともできます。
退去トラブルはストレスや費用のかかる問題ですが、消費生活センターの助けを借りることで、適切な解決策を見つけることができます。
賃貸退去の原状回復が気になる方は、こちらをお読みになると安心(外部サイト)
敷金返還や修理代請求トラブルの無料相談先
入居者さんが退去のトラブルで相談したい場合は最寄りの消費生活センターのご利用がお勧めです。消費生活センターは、消費者トラブルの解決や消費者保護に関する相談に応じる行政機関です。相談は無料で受け付けており、専門の相談員が丁寧に対応してくれます。相談には、電話やメール、直接窓口での相談など、様々な方法があります。また、一部の消費生活センターではオンライン相談も受け付けている場合がありますので、自分に合った方法で相談することができます。こちらのコーナーで解説
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