※このページは2025年に全面的な内容見直しを行いました。
実家の売却を検討し始めた方に向けて、最初に確認すべきポイントや準備の手順を、空き家管理士が現場経験をもとに解説しています。
「片付けてから売る」が正解とは限りません
実家を売ろうと考えたとき、「まずは家の中をすべて片付けなければ」と思い込んでいませんか?
確かに、整理された家のほうが売りやすいのは事実です。
しかし、実際には残置物(家具・荷物など)が残ったままでも売却できるケースが多くあります。
本記事では、空き家管理士の視点から、「片付ける前に知っておきたい残置物の扱い方」をわかりやすくご案内します。
ページの内容
1. 不動産売却に「片付けは必須」ではない
多くの方が「すべての荷物を処分しないと売れない」と考えがちですが、
実際には、不動産会社や買主との契約条件次第で荷物を残したまま売却可能です。
たとえばこんなケース:
- 購入後にリフォームや建て替えを予定している買主
- 業者が再販売・投資目的で購入する場合
- 「現況渡し」を前提とした売却契約
つまり、「片付けなくても売れる相手」を探せばよいということです。
2. 残置物ありの売却には“契約条件”が重要
残置物を残したまま売る場合、契約時にはっきりと取り決めておくことが重要です。
よく使われる文言:
- 「建物内外の残置物は売主の責任で撤去」
- 「残置物を現況のまま引き渡すことを買主が承諾したものとする」
- 「契約不適合責任を免責とする」
このように、トラブル回避のための文言をきちんと契約書に盛り込むことが求められます。
内容によっては、司法書士や不動産会社、空き家管理士と一緒に確認するのが安心です。
3. 残置物を残して売るメリット・デメリット
メリット:
- 片付け費用をかけずにすぐ売りに出せる
- 時間と労力を大幅にカットできる
- 高齢の方や遠方の方でも進めやすい
デメリット:
- 見た目の印象が悪く、売却価格に影響する可能性
- 買主が見つかるまでに時間がかかることも
- 契約条件が曖昧だとトラブルになりやすい
残置物の量が多い場合や、特に生活感が強く残る場合は、最低限の整理だけでも行うと印象がよくなります。
4. 買主が決まってから「引き渡し前に撤去」もできる
「すぐに全部は片付けられない…」という場合、売却契約のあとに片付けを行う方法もあります。
例:
- 家の中がそのままの状態で内見・売却活動
- 買主が決まった段階で、引き渡し日を設定
- 引き渡し前に、家財撤去業者に依頼して処分
このように、「片付けは売却の最終段階で」と考える進め方も可能です。
当社では、こうしたケースに合わせて柔軟な撤去スケジュールのご提案も行っております。
5. 残す?処分する?迷ったときのポイント
空き家管理士としての立場から、以下のような整理軸をおすすめしています:
- 再利用できる物 → 売却後の買主と相談(家具付き売却など)
- 貴重品・思い出の品 → 形見分けや一時保管
- 明らかに不要な物 → あらかじめ処分を検討
- 判断に迷う物 → 一時的な預かりサービスも可
感情が伴う整理だからこそ、「全部捨てる」ではなく、「残すものと処分するものを分ける」方法をとることで、精神的な負担が軽減されます。
片付けは“売るための手段”であって“義務”ではありません
実家を売却する際に「片付けなければ」と自分を追い込んでしまう方が多くいます。
しかし、空き家管理士の立場から申し上げると、それは一つの手段であり、絶対条件ではありません。
買主との契約条件や家の状況によっては、「残置物ありのまま売る」ほうが現実的でスムーズなこともあります。
当社では、不動産会社と連携しながら、売却と片付けを同時に進めるご提案も可能です。
無理せず、でも確実に前に進むための選択肢として、どうぞご相談ください。
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コラム記事執筆・監修

大野大助
(おおのだいすけ)
空き家管理士 プロフィールの詳細
一般社団法人家財整理センター代表理事。20年間の実務経験後代表理事。2020年6月就任。現在、
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